建設業の原価管理/実行予算/現場担当者の儲ける力

業績が好調な社長の共通点とは?

業績が好調な経営者の共通点とは?

先日、工務店A社、土木建築B社、製造業C社を訪問してきました。
3社とも業績は好調です。

 

この2社には、いくつかの共通点があります。
・社長が高齢なので、後継者が中心となって会社を引っ張っている。
・先代から事業を引き継いだときは、売上が低迷し資金繰りにも苦労していた。
・新商品を開発・販売したことで、現在は受注が増加し業績は好調である。
事業の方向性、行動施策、数値目標を具体化した経営(事業)計画書がある。
経営者が絶対に目標を達成できると信じている。

 

工務店A社は、4年前に専務が新商品で受注の拡大を目指していたので、事業計画書の作成をお手伝いしました。現在の厳しい事業環境のなかで、地場の工務店が新築の受注を伸ばしていくのは並大抵のことではありません。正直、私は本当に新築の売上を伸ばすことができるのかどうか少し不安はありました・・・。

 

久しぶりに話を聞いてみると、見事に新築の受注を2倍に伸ばしていました。

 

どうして、そんなに売上を伸ばすことができたのですか?」と聞いてみると、「事業計画の内容を4年間、徹底的に実行したんです。それだけです。絶対にできると思ってました!」とのこと。

 

専務は学生時代に体育会系だったこともあってか、自分がイメージした目標に対して必ず実現できるという強い信念をもっていました。そして、目標に向かって突き進む非常識なまでの努力が実を結んだのだと感じました。

 

土木建築B社も同じく、常に経営計画で明確化した事業の方向性、行動施策、数値目標と実績を対比しながら事業を行ってきたとのことです。

 

製造業C社も、紆余曲折あって売上がほぼゼロになってしまった時期があったそうです。黒字化までには4年かかったそうです。後継社長は、売上がゼロになったとき、何を感じて何を考えてきたのか?何をしてきたのか?

 

従業員や取引先が手のひらを返したかのように去っていったこと、先代がいたから支えがあると感じられたこと、今だれも相談できる人間がいないこと、競合にはマネできない絶対的な商品を開発し、黒字化するという強い信念を持っていたこと、そして、今だから笑ってこんなことも話していられるんだということ、いろいろなお話を聞かせていただきました。

 

お話を聞きながら、工務店A社の専務に雰囲気が似ているように感じました。中小企業の業績は、経営者のメンタルに左右される部分があるのでしょうか、この2人の経営者に共通するのは、絶対にデキルという強い信念を持っていることです。

経営計画書は机上の空論か?

強い信念は、目標と進べき道、やるべきことを明確に決めることから、生まれるのです。

 

この3人の経営者は、経営計画書で、具体的な数値目標を定めて、誰が・いつまでに・何をやるのかという行動施策を決めて、それを毎日、毎日・・・、非常識なまでの努力で実行し続けたのです。

 

斬新なアイデアを考え出して終わり・・・ではなく、明確な目標と信念をもって行動し続けることが、最後には結果につながるのです。なかなか業績を伸ばせないで苦労している企業との違いは、そこにあるのでしょう。

 

「人は、現実と自分の考えとが違っていると、その矛盾を解消したくなる」

 

このような状況を、社会心理学の用語で「認知的不協和」と言います(フェスティンガーというアメリカの心理学者が提唱した理論です)。

 

人は新しい事実を認識したときに、それが自分の考えとは違っていると感じると、心の中に矛盾が生じます。そして、心の中にある矛盾を解消しようとするそうです。

 

それならば・・・、
社長が経営計画書を作って、社内で発表したり、金融機関に提出したりした場合はどでしょうか?

 

もし、実際の業績が経営計画書の目標に達していなかったとしたら、社長が自分で考えた目標と事実とが矛盾していることになりますよね(認知的不協和な状態)。その矛盾を解決するには、どうするか?

 

経営計画書の目標は、社内や金融機関に公表してしまっているので、今さら変えるわけにはいきません。認知的不協和を解消するために、社長の心の中には無意識のうちに「経営計画の目標を達成するしかない!」という信念が生まれるのです。

 

自分で真剣に考えて経営計画書を作ったことがない経営者からすると「計画書なんて机上の空論だよ!」と言いたくなるかもしれません・・・。

 

実際には、初めて経営計画書を作ってみると思っていた以上に、自分の考え、目標、やるべきことが明確となることを実感される経営者が多いです。

 

<フェスティンガーの認知的不協和理論>
認知的不協和理論では、心の中にある矛盾を認知的不協和といいます。認知とは、自分の周りの環境や自分の行動に対するあらゆる知識、意見、信念などのことです。不協和とは、認知間に矛盾がある状態のことです。人は不協和な状態にあると、不快な緊張が生じます。この緊張状態を回避するために、認知の一方を変化させたり、新たな要素を加えたりして認知的不協和を解消しようとします。不協和が大きければ大きいほど、それを解消しようとする力も大きくなります。

社長の考えを数値にしてみる!

「売上を増やすために社員を増員し、設備を購入し、新規借入・・・、
 これで本当にうちの会社はやっていけるのか?」

売上を増やすためには、人が必要、機械が必要、お金も必要になります。
そして、売上を増やしても利益が出なければ、せっかくの苦労が報われませんよね。
その前に、資金が足りなくなれば、経営を続けていくことはできません。

 

1)全社的な目標値を工事目標に反映させる
来期の全社的な数値目標が無いと工事利益率などの目標がたてられません。
5カ年程度の経営計画を作り、来期の全社的な目標値を明確にすることが大切です。

 

2)意味のある経営計画を作成する
 意味のある経営計画を作成するためには、事業別の売上や利益、人員、販管費、借入・返済、設備投資・減価償却といった、数値を積み上げていく必要があります。

 

3)計画と実績の差異を検証できることが重要
 「来期は、売上高、利益を○%アップさせる」といったおおまかなPL計画ですと
計画と実績が乖離した場合に原因を検証することができません。
また、金融機関等へ提出する場合には、信憑性を疑われてしまう可能性もあります。
せっかく計画を作るのであれば、事業運営に活用できる経営計画にしたいものです。
計画をもとに実行・検証・改善を実施することで目標の達成を目指しましょう。

業績が好調な社長の共通点とは?

工事目標を決めて数値を管理する

経営目標が決まったら、それを現場での工事目標を考えていきましょう。

 

たとえば、
・一人当たりの施工高と工事利益は?
・月間の工事利益額は?
・実行予算の原価率は?(顧客別・工種別など)
・外注費と労務費の比率は?

 

工事目標が決まったら、目標と実績を毎月対比しましょう。
1)経営目標と経営実績を対比(経営計画と月次試算表などを対比)
2)工事目標と工事実績を対比(実行予算と実績原価などを対比)

 

業績が好調な社長の共通点とは?

 

工事原価を削減するために社内プロジェクトチームを作ってみても良いでしょう。

業績が好調な社長の共通点とは?

うちの会社は、いくら売上があればやっていける?

うちの会社が事業を継続するために必要な利益額は?(目標利益を決める)
目標利益を達成するために必要な売上高は? (目標売上高を決める)

>> うちの会社は、いくら売上があればやっていける?

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