従業員の能力に合わせて原価管理をさせてみてはどうですか?

「できることから続けさせる」
これまでに原価管理をしたことがなかったり、数字に対して苦手意識を持っている社員もいるはずです。
このような社員にいきなり高度な原価管理を義務付けても難しいものがあります。
最初のうちは、手法にこだわらずに現場担当者がやりやすい方法で行うほうが良いでしょう。
苦手意識の強い社員に継続的に管理をさせることが重要となります。

 

【ステップ@】 出来高と実績原価の把握
最初は出来高と実績原価を正確に把握するところから始めて、社員の苦手意識をなくしていきます。
簡単に記入できるような書式を利用するなどして、業務の負担をできるだけ軽くします。

 

【ステップA】 最終原価の予想
工種別に原価を管理しようとすると、管理が複雑になります。
最初のうちは工種別などをあまり意識せずに、工事全体の最終原価を予想するようにしましょう。

 

【ステップB】 工種別原価の把握と最終原価予想
工種別に原価管理ができるようになると、実行予算との対比が可能となります。
ステップAで使ったシートを工種別に作成します。
このステップをクリアした社員なら、正確に原価を把握できます。

 

【ステップC】 実行予算出来高管理
ステップBまでの結果を使い予算と実績の対比をします。
実績原価、残予算、残工事にかかる原価を管理します。

工事担当者の能力をレベルアップさせるには?

「すべての現場担当者の能力や素質を把握する」
中小企業は大企業に比べて従業員の人数が少ないため、一人ひとりの能力が経営に与える影響が大きくなります。
チェックシートにより、すべての現場担当者の能力や素質を評価します。

【適性チェックシート 例】

【中小建設業の人材育成】工事担当者の能力に合わせた原価管理

 

「ステップアップ方式で社員を育てる」
それぞれの能力に合わせて段階的に原価管理を導入しましょう。
ステップごとに書式を用意しておきます。
書式はできるだけシンプルなものを利用することで、社員の苦手意識を無くします。
とにかく、工事担当者が途中で挫折することなく、習慣化させることが大切です。

【中小建設業の人材育成】工事担当者の能力に合わせた原価管理

 

「育成計画と実際の成長を対比する」
誰を、いつまでに、どのステップまで成長させるのかといったように、目標を決めて計画的に育成しましょう。
定期的に計画と実際の成長を対比します。
計画よりも大幅に遅れているようなら、育成計画の見直しをおこないます。

【達成度シート】

【中小建設業の人材育成】工事担当者の能力に合わせた原価管理

成果ではなく努力を評価してあげましょう

「成果主義では息が続かない・・・」
成果が評価されるのは、遠い未来ではありませんか?
例えば、ゴルフを考えてみてください。
もし、自分のスコアも他人のスコアも明日になるまで分からなかったとしたら?
途中でモチベーションが下がってくると思いませんか?
そのホールが終わる度に、スコアが分るから最後まで楽しんでプレーできるわけですよね。

 

仕事も同じだと思いませんか?
現場が終わるまで成果が分からず、しかも成果が評価されるのは、半年後のボーナス時期だとしたら工事担当者のヤル気が低下してくるのも不思議ではありませんよね。
社員が行動したら、すぐにその努力を評価してあげることで、ヤル気を持続させることが大切です。

【人材育成に関連する書籍】
  

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